こんにちは、三重県鈴鹿市の質店「大蔵屋」です。
サファイアに似た青色を持つことで知られるタンザナイト。発見されてから約60年という歴史の浅い宝石ですが、近年その人気は急上昇しており、ルビーやサファイアと並ぶほどの人気宝石となっています。
この記事では、タンザナイトにまつわる魅力や基礎知識についてご紹介します。※あくまで参考程度にご覧ください。
タンザナイトの魅力
英語表記 | TANZANITE |
和名 | 灰簾石(かいれんせき) 黝簾石(ゆうれんせき) |
硬度 | 6~7 |
誕生石 | 12月 |
宝石言葉 | 希望・神秘・高貴・知性・冷静・誇り高き人物など |
原産地 | タンザニア |
タンザナイトは、その独特な青紫色が魅力的な宝石です。深海のような深い青色から、すみれのような青紫色まで、様々な色合いが存在し、見る角度や光の当たり具合によって表情を変えます。
タンザナイトは、1967年にタンザニアで発見された新しい宝石で、落雷による野火で熱せられたゾイサイトが青紫色に変化したというロマンチックな伝説も持ち合わせています。
発見後は、ティファニー(Tiffany&Co.)社によって「タンザナイト」と名付けられ、世界に紹介されました。その後、宝石自体の美しさや映画の影響などにより、世界中で愛される宝石となっています。
次の項目では、タンザナイトの基礎知識として、その由来や逸話など、様々な観点からタンザナイトの魅力を解説いたします。
タンザナイトの基礎知識
ここでは、タンザナイトにまつわる基礎知識を紹介します。
タンザナイトの名前の語源と由来
タンザナイトの名前の由来は、ジュエリーで有名なティファニー(Tiffany&Co.)が関係しています。
タンザナイトはティファニー(Tiffany&Co.)が名付けた
タンザナイトは、元々はブルーゾイサイトという鉱物名で呼ばれていました。しかし、ティファニー(Tiffany&Co.)社がこの宝石の美しさを広く伝えるために、より相応しい名前として「タンザナイト」と命名したのです。
タンザナイトという名は、まるでロマンチックな物語のワンシーンのように、タンザニアの夜の神秘的な美しさから生まれました。深い青紫色は、太陽が沈み、夜空に星々が輝き始めるタンザニアの夜空をそのまま閉じ込めたようで、その色合いは、見る者を魅了し、心を奪います。
夕焼け空の最後の光が、夜空の深い青と溶け合い、タンザナイトの誕生です。その宝石は、まるで夜の帳が下り、星々が瞬き始める瞬間を永遠に留めたかのようです。
タンザナイトを身に着けることは、タンザニアの夜空の美しさを肌で感じること。それは、ロマンチックな夢の世界へと誘う、魔法のような宝石なのです。
ティファニー社によるタンザナイトという名でのプロモーションは大成功を収め、タンザナイトは瞬く間に世界中で愛される宝石となりました。
20世紀の宝石
タンザナイトという名前が選ばれたのには、もう一つ理由があります。それは、ブルーゾイサイトという名前が英語の「スーサイド(自殺)」と聞こえてしまうことです。
後にティファニー社の代表取締役社長となるヘンリー・B・プラットは、ブルーゾイサイトという名前が気にかかっていました。そこで、より魅力的な名前として「タンザナイト」が考案されたのです。
1968年10月、ティファニー社は、世界に衝撃を与える宝石「タンザナイト」を発表しました。
タンザナイトは、それまでほとんど知られていませんでしたが、深い夜空を思わせるような色合いと、見る角度によって変化する神秘的な輝きは、瞬く間に宝石界を魅了しました。
タンザナイトは「20世紀の宝石」と謳われ、その魅力は世界に広がっていったのです。
当時のティファニー社の社長であったヘンリー・B・プラット氏は、タンザナイトについて以下のように述べています。
「この2000年以上の間に発見された中で最も美しいブルーの宝石です。」
この言葉は、タンザナイトの美しさを完璧に表現しており、宝石界におけるタンザナイトの地位を確固たるものにしました。
タンザナイトの伝説
タンザナイトはゾイサイトという鉱石ですが、元々は青色ではなかったという話があります。
1967年、タンザニアのメレラニ。乾燥したキリマンジャロ山の麓で、落雷による野火が発生しました。この野火により、熱せられたゾイサイトが化学変化を起こし、青色のタンザナイトへと変化したという伝説です。
野火が燃え尽きた跡地を調査していたマサイ族の人が見つけたとのことで、真偽は定かではありませんが、とてもロマンチックな伝説ですね。
タンザナイトとタイタニック
映画タイタニックは、1997年に公開されたアメリカ映画です。ジェームズ・キャメロン監督による恋愛映画であり、史実であるタイタニック号沈没事故を題材に、船上で出会った青年ジャックと令嬢ローズの悲恋を描いています。
映画の中で、ローズは婚約者キャルから贈られた「ハート・オブ・ザ・オーシャン(碧洋のハート)」と呼ばれる宝石のネックレスを身に着けています。この宝石は、映画の中ではダイヤモンドと設定されていますが、実はタンザナイトでした。
映画タイタニックの公開後、タンザナイトの人気は爆発的に高まりました。映画の中でローズが着用していたように、タンザナイトをハート型にカットしたネックレスは、多くの女性たちの憧れのジュエリーとなったのです。
「ハート・オブ・ザ・オーシャン」は、映画タイタニックの中で重要な役割を果たしています。ジャックとローズの愛の象徴であり、二人の運命を結びつけるものとして描かれていたからです。
映画のラストシーンでは、老いたローズが海に「ハート・オブ・ザ・オーシャン」を沈めるシーンがあります。これは、ローズがジャックとの愛を永遠に心に刻み、海へと還していくという象徴的なシーンです。
映画タイタニックは、世界中で愛される名作映画です。そして、「ハート・オブ・ザ・オーシャン」は、映画タイタニックを象徴する大切なアイテムの一つとなっています。
タンザナイトとサファイアの違い
深い青色で人々を魅了する、タンザナイトとブルーサファイア。一見、似て見える2つの宝石は、実は全く異なる個性を持つ宝石です。
色味の違い
ブルーサファイアは、凛とした輝きを放つ純粋な青色が特徴。一方、タンザナイトは、青紫色で、見る角度によって表情を変える神秘的な魅力があります。
鉱物としての違い
サファイアはコランダムという鉱物です。一方、タンザナイトは、ゾイサイトという鉱物です。
硬度と靭性の違い
サファイアのモース硬度は9で、ダイヤモンドに次ぐ硬度を誇り、靭性も高い宝石です。一方、タンザナイトは、モース硬度6~7、靭性もやや低いため、サファイアと比べて取り扱いに注意が必要です。
希少性の違い
サファイアは、世界各地で採掘される、比較的入手しやすい宝石です。一方、タンザナイトは、タンザニアのメレラニ鉱山でしか採掘されない、希少性の高い宝石となっています。
価格の違い
よく似ているタンザナイトとサファイアなので「タンザナイトとサファイアはどっちが高い?」と疑問に思われる方も少なくありません。
タンザナイトとサファイアの価格は、同ランク・同サイズの場合、サファイアの方が数倍高くなります。
サファイアとタンザナイトは似て非なるもの
タンザナイトとサファイアは、それぞれ異なる魅力を持つ宝石です。サファイアの凛とした輝き、タンザナイトの神秘的な色彩、そしてそれぞれの個性を知り、大切に扱うことで、宝石との絆が深まっていくでしょう。
タンザナイトの和名は「灰簾石・黝簾石」
タンザナイトの和名は「灰簾石(かいれんせき)」「黝簾石(ゆうれんせき)」です。
灰簾石は、柱状の結晶が集合して簾(すだれ)のような形状を形成することが名前の由来となっています。
タンザナイトの硬度は「6~7」
タンザナイトの硬度は、モース硬度6~7です。ダイヤモンドが10、サファイアが9なので、それらの宝石と比べ硬度が低く、傷が付きやすい宝石となっています。
タンザナイトは「12月の誕生石」
タンザナイトは12月の誕生石です。
タンザナイト・ラピスラズリ・ターコイズの違い
12月の誕生石には、タンザナイトの他にラピスラズリとターコイズ(トルコ石)があります。
ターコイズは、空を思わせる鮮やかな青緑色と、独特の網目模様が特徴的な石で、透明感はないのでタンザナイトとは全く別の宝石であることがわかります。
ラピスラズリは、夜空のような深い青色と、金色のパイライトが織りなす星屑のような模様が特徴的な宝石です。
これら3つの石は、同じ12月の誕生石ということで似ているように感じる方もいらっしゃいますが、まったく異なる特徴をもった宝石です。
タンザナイトの宝石言葉は「希望・神秘・高貴」
タンザナイトの宝石言葉には「希望」「神秘」「高貴」「知性」「冷静」「誇り高き人物」などがあります。
タンザナイトの主な原産地は「タンザニア」
タンザナイトの原産地は、タンザニアです。
タンザナイトは、アフリカ大陸最高峰キリマンジャロの麓、メレラニ鉱山という限られた場所で産出される希少な宝石です。深い青色を帯びたその輝きは、見る者を魅了して止みません。しかし、その美しさの裏には、タンザナイトが抱える厳しい現実があります。
1998年、メレラニ鉱山はエルニーニョ現象による大洪水に襲われ、閉山に。その後、2001年に採掘が再開されましたが、現在までにメレラニ鉱山以外ではタンザナイトは発見されておらず、数十年後には枯渇してしまう可能性が高いと言われています。
三重県鈴鹿市の質店「大蔵屋」ではタンザナイトを買取中!
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