ロレックスといえば、ダイバーズウォッチのサブマリーナや探検家向けのエクスプローラーなど、数々のスポーツモデルで圧倒的な支持を獲得してきた名門時計メーカーです。そんなロレックスが、1992年に新たなジャンル「ラグジュアリースポーツ」を切り開いたのが、ヨットマスターです。
金無垢モデルでマリンスポーツ愛好家を中心に支持を集めたヨットマスターでしたが、ロレックスは更なる幅広い層への訴求を目指し、1997年にステンレスとK18ゴールドを組み合わせたコンビ「ロレゾール」をラインナップに加えました
この記事では、ヨットマスター メンズ コンビモデルに焦点を当て、その歴史を振り返っていきます。
本記事は、できるだけ正確な情報を掲載するよう努めていますが、古いモデルについては、製造年や仕様などについて、複数の説が存在するため、事実と異なる可能性があります。そのため、本記事の情報は、あくまでも参考程度にご活用ください。
ロレックス ヨットマスターとは
最初に、ヨットマスターの特徴をご紹介します。
新ジャンル「ラグジュアリースポーツ」
ロレックスといえば、サブマリーナやエクスプローラーなど、長年にわたって愛され続ける名作スポーツモデルが数多く存在します。そんなロレックスの歴史において、1992年に誕生したヨットマスターは、その革新的なコンセプトで、異彩を放つ存在として確固たる地位を築き上げてきました。
ロレックススポーツモデル初のペアウォッチ
ヨットマスターの最大の特徴は、ラグジュアリースポーツウォッチという新たなジャンルを切り開いたことです。マリンスポーツやビーチリゾートを楽しむ富裕層向けに開発されたヨットマスターは、金無垢素材の輝きと洗練されたデザインで、ロレックスのスポーツモデルとは一線を画すラグジュアリー感を纏いました。
従来のロレックス スポーツモデルとは異なり、メンズ、ボーイズ、レディースの3サイズ展開を採用している点もヨットマスターの特筆すべき点です。これは、ペアウォッチとしての需要にも対応するためと考えられます。
特徴的なベゼルデザイン
ヨットマスターのアイデンティティとも言えるのが、サンドブラスト加工による梨地仕上げとエンボス加工が施された回転ベゼルです。ロレックスのスポーツモデルの中で、このようなベゼルデザインを採用しているのはヨットマスターのみであり、他のモデルとは一目で異なる個性を演出しています。
コンビモデル「ロレゾール」の登場
金無垢モデルのみでスタートしたヨットマスターに、ステンレスとK18ゴールドを組み合わせたコンビ「ロレゾール」が登場したのは1997年のことです。
コンビモデルはすべてのサイズのヨットマスターで同時に登場したわけではなく、レディースモデルで1997年に登場した後、1999年にボーイズモデル、2004年にメンズモデルへと展開されました。
ロレゾールモデルは、金無垢モデルの持つラグジュアリーな雰囲気を継承しつつ、ステンレススチールの堅牢性と実用性をプラスすることで、より幅広いシーンに適応できる万能時計へと進化しました。また、ステンレススチールのシルバーカラーとK18ゴールドのゴールドカラーが織りなすコントラストは、ヨットマスターの洗練されたデザインをさらに際立たせています。
この記事では、ヨットマスターコンビモデルの中で、メンズサイズに絞って、その歴史を紹介します。
ヨットマスター メンズ 歴代コンビモデル年表
ヨットマスター メンズのコンビモデルは、2024年時点で2回のモデルチェンジが行われています。
採用されているK18ゴールドがK18YG(18金イエローゴールド)からK18ERG(18金エバーローズゴールド)に変わっているのも、時代の流れを感じますね。
※古いモデルの製造期間、仕様に関しては正確な情報がないため、事実とは異なる場合がございます。あくまでも参考程度にご覧ください。
モデル | 年代 | ムーブメント | 素材 |
ヨットマスター Ref.16623 | 2004年~2016年 | Cal.3135 | SS×K18YG |
ヨットマスター Ref.16623NC | 2004年~2016年 | Cal.3135 | SS×K18YG |
ヨットマスター Ref.16623NGR | 2004年~2016年 | Cal.3135 | SS×K18YG |
ヨットマスター Ref.16623NGS | 2004年~2016年 | Cal.3135 | SS×K18YG |
ヨットマスター Ref.116621 | 2016年~2019年 | Cal.3135 | SS×K18ERG |
ヨットマスター 40 Ref.126621 | 2019年~ | Cal.3235 | SS×K18ERG |
ヨットマスター メンズ 歴代コンビモデル一覧
ヨットマスター メンズ 歴代コンビモデルを紹介します。
ヨットマスター Ref.16623 SS×K18YG
製造年代 | 2004年~2016年 |
キャリバー | Cal.3135 |
防水性能 | 100m |
ケース径 | 40mm |
ポイント | メンズ初のコンビモデル |
ヨットマスター Ref.16623は2004年に登場した、ヨットマスター メンズ 初のコンビモデルです。
Ref.16623はステンレスとK18YG(18金イエローゴールド)のコンビ「イエローロレゾール」のモデルで、先にコンビモデルを発売していたレディースやボーイズのヨットマスターから数年遅れて発売されました。
ヨットマスターのデザインにおける最大の特徴である「ベゼル」と、ブレスレットの中央リンクはイエローゴールド、その他の部分がステンレス素材となった Ref.16623は、金無垢モデルと比べて手が届きやすい価格帯かつ、日常使用しやすいモデルといえます。
ダイヤルはホワイト・ブルー・グレー・シャンパンなどがラインナップされ、ダイヤルカラーの違いで、雰囲気が大きく異なります。
先にレディース・ボーイズでコンビモデルが発売されていたこと、Ref.16623の発売される5年前の1999年にロレジウムモデルのヨットマスター Ref.16622が発売されたこともあり、 Ref.16623の発売当初、コンビモデルの注目度はあまり高くなかったようです。
Ref.16623の後継にあたるコンビモデルでは、イエローゴールドではなくエバーローズゴールドへ変わることから、イエローロレゾールのメンズヨットマスターをお求めの場合、選択肢はRef.16623だけとなります。
ヨットマスター Ref.16623NC SS×K18YG
製造年代 | 2004年~2016年 |
キャリバー | Cal.3135 |
防水性能 | 100m |
ケース径 | 40mm |
ポイント | シェルダイヤル |
ヨットマスター Ref.16623NCは、Ref.16623のシェルダイヤルモデルです。
ヨットマスター Ref.16623NGR SS×K18YG
製造年代 | 2004年~2016年 |
キャリバー | Cal.3135 |
防水性能 | 100m |
ケース径 | 40mm |
ポイント | シェルダイヤル、11Pルビーインデックス |
ヨットマスター Ref.16623NGRは、Ref.16623のシェルダイヤル、11Pルビーインデックスモデルです。
ヨットマスター Ref.16623NGS SS×K18YG
製造年代 | 2004年~2016年 |
キャリバー | Cal.3135 |
防水性能 | 100m |
ケース径 | 40mm |
ポイント | シェルダイヤル、8Pダイヤ、3Pサファイアインデックス |
ヨットマスター Ref.16623NGSは、Ref.16623のシェルダイヤル、8Pダイヤ、3Pサファイアインデックスモデルです。
ヨットマスター Ref.116621 SS×K18ERG
製造年代 | 2016年~2019年 |
キャリバー | Cal.3135 |
防水性能 | 100m |
ケース径 | 40mm |
ポイント | 初のエバーローズゴールドコンビ |
ヨットマスター Ref.116621は2016年に登場した、ヨットマスター メンズ コンビモデルの二代目にあたるモデルです。
Ref.116621はステンレスとK18ERG(18金エバーローズゴールド)のコンビ「エバーローズロレゾール」のモデルで、この世代よりヨットマスターのコンビはエバーローズゴールドで展開されていくこととなりました。
ロレックス ヨットマスター Ref.116621は、前モデルRef.16623の優れた基本性能を踏襲しつつ、各部品をブラッシュアップさせたバージョンアップモデルです。
Ref.116621の心臓部とも言えるムーブメントCal.3135は、前モデルと同様に高い精度を誇ります。しかし、その性能をさらに向上させるために、ヒゲゼンマイにブルーパラクロムという革新的な素材を採用しました。ブルーパラクロムは、従来の素材よりも耐磁性と耐衝撃性に優れているため、磁気や衝撃による影響を受けにくく、より安心して長く使用することができます。
ヨットマスターを象徴する両方向回転ベゼルには、トリゴナル・スプリングという新たなパーツが採用されました。三角形の形状をしたトリゴナル・スプリングは、ベゼルリングの120個の刻みと連動し、スムーズな回転と確実なクリック感を実現します。この進化により、従来のベゼルよりも優れた操作性を提供し、ヨットマスターの使いやすさを向上させています。
バックルには、工具不要で簡単に長さを5mm調整できるイージーリンク機構が搭載されました。これは、状況に合わせて素早く長さ調整が可能で、利便性の高いバックルです。イージーリンク機構により、着脱の容易さだけでなく、気温や服装の変化に合わせて最適な着用感を維持することができます。
夜光塗料は、クロマライトと呼ばれる進化した素材に変更されました。従来のスーパールミノバと比べて、クロマライトは青く鮮やかに発光し、暗い場所でも抜群の視認性を実現します。また、発光時間も長いため、長時間暗闇でも時計をしっかりと読み取ることができます。
Ref.116621の登場時、ダイヤルは深みのあるブラウンのチョコレートダイヤルのみでしたが、2017年にブラックダイヤルも追加されました。
Ref.116621はムーブメント変更に伴い、3年で廃盤となった短命なモデルです。
ヨットマスター 40 Ref.126621 SS×K18ERG
製造年代 | 2019年~ |
キャリバー | Cal.3235 |
防水性能 | 100m |
ケース径 | 40mm |
ポイント | モデル名にサイズ表記追加、70時間パワーリザーブ |
ヨットマスター 40 Ref.126622は2019年に登場した、ヨットマスター メンズ コンビモデルの三代目にあたるモデルです。
Ref.126621では、従来のモデル名にサイズ表記を追加した「ヨットマスター40」へと改名されました。これは、消費者がモデルを選ぶ際にサイズをより簡単に判断できるようにするために行われた変更と思われます。シンプルなモデル名でありながら、明確なサイズ表記によって、より分かりやすく、選びやすいモデルとなっています。
Ref.126621の最も大きな変更点は、ムーブメントがCal.3135からCal.3235に変更されたことです。Cal.3235は、クロナジー・エスケープメントと呼ばれる新しい脱進機を採用することで、エネルギー効率を高め、パワーリザーブを約70時間まで延長しました。これは、前モデルの約48時間と比べて大幅な向上であり、より長い時間、時計を動かし続けることができるようになりました。
その他、前モデルからの変更点は6時方向の表記「SWISS MADE」のSWISSとMADEの間にクラウンマークが入っています。
2024年時点では、コンビもでるだけではなく金無垢モデルもエバーローズゴールドのみのラインナップとなっています。
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