ロレックス(ROLEX) GMTマスター歴代モデル一覧。ステンレスモデルの歴史を完全網羅

ロレックス(ROLEX)の中でも高い人気を誇るGMTマスターは、個性的なツートンベゼルが魅力のプロフェッショナルモデルです。そんなGMTマスターには、IとIIの2種類が存在することをご存知でしょうか。

この記事では、ロレックス初のGMT機能搭載ウォッチとして登場し、1999年に廃盤となったGMTマスターIの歴史を、ステンレスモデルに絞って紹介します。

本記事は、できるだけ正確な情報を掲載するよう努めていますが、古いモデルについては、製造年や仕様などについて、複数の説が存在するため、事実と異なる可能性があります。そのため、本記事の情報は、あくまでも参考程度にご活用ください。

ロレックス GMTマスターとは

※冒頭では便宜上「GMTマスターI」としていますが、ここからは「GMTマスター」と表記いたします。

ロレックス GMTマスターは、1955年にパンナム航空のパイロットのために開発された、2つのタイムゾーンの時刻を同時に表示できる腕時計です。特徴的なツートンベゼルとGMT針は、瞬時に異なるタイムゾーンの時刻を把握できる機能性と、アイコニックなデザインを兼ね備え、世界中の冒険者や旅行者、そして時計愛好家を魅了し続けています。

GMTマスターの誕生は、航空技術の発展と国際線の普及という時代の背景と密接に関係しています。1950年代、パンナム航空は世界中の都市を結ぶ長距離路線を次々と開設し、パイロットには複数のタイムゾーンの時刻を瞬時に把握することが求められることになったのです。

当時、ロレックスは防水性の高い腕時計「サブマリーナ」で高い評価を得ていました。パンナム航空はロレックスに協力を依頼し、2つのタイムゾーンの時刻を同時に表示できる機能を持つ腕時計の開発を提案します。

1955年、ロレックスはパンナム航空との共同開発により、GMTマスターを誕生させました。GMTマスターは、24時間表記の回転ベゼルとGMT針を備え、従来の時刻に加え、第2タイムゾーンの時刻を瞬時に読み取ることができる画期的な機能を搭載していました。

鮮やかなツートンカラーのベゼルは、瞬時に異なるタイムゾーンを識別できるだけでなく、GMTマスターをひと目でそれとわかるアイコニックなデザイン要素であり、そのモデルのアイデンティティを形作っています。

GMTマスターは、パンナム航空のパイロットだけでなく、世界中の航空会社や軍隊に採用され、瞬く間に人気モデルとなりました。その後、冒険家や旅行者、そして時計愛好家からも支持を集め、ロレックスを代表する人気モデルの一つとなりました。

GMTマスター 歴代ステンレスモデル年表

高い知名度と長い歴史を持つGMTマスターですが、GMTマスターIだけに絞った場合、オールステンレスモデルは4機種となります。

※アンティークモデルの製造期間、仕様に関しては正確な情報がないため、事実とは異なる場合がございます。あくまでも参考程度にご覧ください。

モデル年代ムーブメント世代
GMTマスター Ref.65421955年~1959年Cal.1035、Cal.1036、Cal.1065、Cal.1066第1世代
GMTマスター Ref.16751959年~1979年頃Cal.1570第2世代
GMTマスター Ref.167501980年頃~1988年Cal.3075第3世代
GMTマスター Ref.167001988年~1999年Cal.3175第4世代

GMTマスター ステンレス 歴代モデル一覧

GMTマスター ステンレスの歴代モデルを紹介します。

GMTマスター Ref.6542

製造年代1955年~1959年
キャリバーCal.1035、Cal.1036、Cal.1065、Cal.1066
防水性能-
ケース径40mm
ポイント初代、プラベゼル(ベークライト)、ペプシ、ミニ針、ラジウム夜光塗料、ビッグ・ルーム(夜光)、マキシダイヤル、ボンドガールが着用

GMTマスター Ref.6542は、1955年に登場したGMTマスターの初代モデルです。

パンナム航空ことパン・アメリカン航空の依頼を受け開発されたモデルで、ベークライトベゼル、リューズガードの無いケース、GMT針の先端の三角形が小さいミニ針、ミラーダイヤルなどが特徴のモデルです。

Ref.6542の流通モデルはブラックダイヤルとなっていますが、パンナム航空のパイロットへ支給されたモデルは、特別色のホワイトダイヤルだったと言われています。ホワイトダイヤルは「アルビノダイヤル」や「シロイルカ」というニックネームで呼ばれ、Ref.6542の中でも希少な個体として扱われています。

ロレックス GMTマスター Ref.6542には様々な個性がありますが、このモデルを語る上で欠かせない重要な要素の一つがベークライトベゼルです。プラスチックの一種であるベークライトのベゼルは、鮮やかなツートンカラーと独特の質感を持ち、経年変化によって飴色のような光沢が醸し出されるのも魅力です。

Ref.6542では、発売当初はベークライトベゼルが採用されていましたが、破損しやすく、夜光塗料に放射性物質ラジウムが使われていたため、数年後にはアルミベゼルに変更されました。1961年にはアメリカの退役海軍士官とその家族が、Ref.6542のベゼルのラジウム被曝による健康被害を訴え、ロレックスを相手取り提訴しました。

ロレックスはベークライトベゼルを回収し、アルミベゼルと交換することに。そのため、オリジナルのベークライトベゼルは現存数が極めて少なく、2014年にはニューヨークで行われたオークションにて、Ref.6542のベゼルが$32,500(当時のレートで約335万円)の高値で落札され、話題となりました。

Ref.6542は1959年に廃盤となりましたが、1964年の映画『007 ゴールドフィンガー』では、プシー・ガロアを演じるボンドガール、オナー・ブラックマンが、Ref.6542を着用していたことでも話題に。2トーンベゼルの特徴的なデザインは、映画の衣装としても活用しやすかったのかもしれません。

短命に終わった初代GMTマスター Ref.6542は、現在もアンティークウォッチとして高い人気を誇ります。

GMTマスター Ref.1675

製造年代1959年~1979年
キャリバーCal.1570
防水性能-
ケース径40mm
ポイント第2世代、ペプシ、MMダイヤル、シックスドット、アンダーバー、ミニ針、トンガリリューズ、ヒラメ

GMTマスター Ref.1675は、1959年に登場したGMTマスターの2代目モデルです。

Ref.1675は約20年間製造されたロングセラーモデルで、前モデルRef.6542で培った経験を活かして、以下のような点がブラッシュアップされています。

まずは前モデルRef.6542でリコール問題に繋がった夜光塗料の放射性物質について。Ref.1675では、ラジウムではなくトリチウムが採用されました。トリチウムも放射性物質ではありますが、ラジウムと比べて放射線量や半減期に大きな差があります。トリチウムの放射線量はラジウムの100万分の1程度、半減期はトリチウムが約12年なのに対し、ラジウムは約1600年と、その差は歴然です。

次にリューズガード。前モデルRef.6542ではリューズガードがなくリューズが露出していたので、なにかにぶつけた際にリューズが破損しやすい状態でした。Ref.1675ではリューズガードが採用され、長い製造期間の間にリューズガードの形状も変化していき、そういった点も、Ref.1675のコレクション性を高めています。

その他に、Ref.1675の初期生産分には前モデルの意匠であるMMダイヤルやミニ針などの個体も存在し、ファンの間で珍重されています。

GMTマスター Ref.16750

製造年代1980年頃~1988年
キャリバーCal.3075
防水性能100m
ケース径40mm
ポイント第3世代、ペプシ、黒単色、クイックチェンジ、ハイビート化、初の100m防水、フチなし

GMTマスター Ref.16750は、1980年頃に登場したGMTマスターの3代目モデルです。

Ref.16750は、1959年に発売された前モデルRef.1675から20年ぶりのモデルチェンジということで、Cal.3075ムーブメントの毎時28,800振動へのハイビート化や、日付を瞬時に変更できる便利なクイックチェンジ機能の搭載など、大きな進化を遂げたモデルです。

Ref.16750に搭載されたムーブメント Cal.3075は、GMTマスターシリーズとしては初のハイビートムーブメントでした。前モデルRef.1675に搭載されていたCal.1570は、毎時 19,800 振動でしたが、Cal.3075では毎時 28,800 振動となり、精度が大幅に向上しました。

また、クイックチェンジ機構が搭載されたことも重要なポイントです。クイックチェンジ機構とは、日付を瞬時に変更できる便利な機能で、搭載されていない場合は、日付を変更する場合に、短針を12時間分回転させる必要がありました。

日常使いにおいて非常に便利なGMTマスターのクイックチェンジ機構は、3代目のRef.16750、そして4代目のRef.16700にのみ搭載された機能なので、GMTマスターやGMTマスターにおいてクイックチェンジ搭載のモデルを購入したい場合は、この2モデルのみが候補となります。

Ref.16750の中でもマニア人気が高いのは、1984年頃まで製造されていた「フチなしインデックス」の個体です。フチなしインデックスとは、ダイヤルのインデックスにメタルのフチがなく、夜光塗料のみで表現されているものを指します。

Ref.16750のフチなしインデックス個体はファンの間で「前期」と呼ばれ、買取相場もフチありインデックスの「後期」と比べて高い傾向にあります。

GMTマスター Ref.16700

製造年代1988年~1999年
キャリバーCal.3175
防水性能100m
ケース径40mm
ポイント第4世代、ペプシ、黒単色、GMTマスターI最終モデル、ツインブリッジ、シングルトリチ、先端ドット、オンリースイス、A番(最終品番)

GMTマスター Ref.16700は、1988年に登場したGMTマスターの4代目モデルです。

Ref.16700はGMTマスターIの最終モデルで、オールステンレスのGMTマスターIとしては初めて、ツインブリッジムーブメント、サファイアクリスタル風防など現代的な進化を遂げたモデルでした。

Ref.16700は約10年間の製造期間の中で、ブレスレットや文字盤など、いくつかのマイナーチェンジが行われました。とくに、1995年以前のブレスレットがシングルロックの個体の人気が高い傾向にあります。

シングルロック時代の個体には、「シングルトリチ」(トリチウム夜光 &シングルロック)、「先端ドット」(秒針のドットが先端寄り) などの愛称があり、希少価値やヴィンテージ感から、ファンの間で高い人気を誇っています。

1999年に廃盤となったRef.16700を最後に、GMTマスターの長い歴史に終止符が打たれました。その後はGMTマスターIIのみ販売されています。

三重県鈴鹿市の質店「大蔵屋」ではGMTマスターを高価買取中!

三重県鈴鹿市の質店「大蔵屋」では、GMTマスターを高価買取しております。

GMTマスターIは、シリーズ廃盤から20年以上経過した現在でも高値で取引されており、大蔵屋でも積極的に買取中です。

大蔵屋は三重県鈴鹿市、津市、四日市市のお客様を中心にご愛顧いただいている質店です。顧客第一主義をモットーに日々営業しておりますので、お手持ちのブランド品などの買取価格が気になった際には、お気軽にご相談ください。

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