ロレックスのプロフェッショナルウォッチの中で、通好みのモデルといえばエクスプローラーIIではないでしょうか。シンプルなルックスでどんなシーンにも馴染むことで知られているエクスプローラーIの上位モデルでありながら、ニッチな需要のもとに開発されたエクスプローラーIIは、誕生から50年以上経過した現在も、その立ち位置を変えずに定番モデルの一つとして君臨し続けています。
この記事では、エクスプローラーIIに焦点を当て、その歴史を振り返っていきます。
本記事は、できるだけ正確な情報を掲載するよう努めていますが、古いモデルについては、製造年や仕様などについて、複数の説が存在するため、事実と異なる可能性があります。そのため、本記事の情報は、あくまでも参考程度にご活用ください。
ロレックス エクスプローラーIIとは
ロレックス エクスプローラーIIは1971年に誕生した、エクスプローラーIの上位モデルにあたる時計です。その歴史はエクスプローラーIと深く繋がり、多くの冒険家の協力を得て開発されました。当時、洞窟探検において昼夜の区別が困難な状況を克服するために、24時間表示機能とGMT機能を搭載した時計が必要とされていました。
エクスプローラーIIは、ロレックスの卓越した技術力と冒険家たちの情熱が融合して生まれた、まさに機能美を体現したモデルと言えるでしょう。
そんなエクスプローラーIIを語る上で欠かせないのが、エクスプローラーシリーズの生い立ちです。その第一歩を踏み出したのは、1953年に登場したエクスプローラーIでした。
3・6・9の大きなアラビアインデックスが特徴のシンプルなフェイスと、高い堅牢性が魅力のプロフェッショナルモデルであるエクスプローラーI。その開発は1930年代から始まっていたとされており、正式なデビューまでの間、冒険家たちの手に渡り、様々な環境でテストされていたといいます。
そして、エクスプローラーIが誕生した1953年は、人類史上初のエベレスト登頂が達成された年でもあります。ニュージーランド人冒険家のサー・エドモンド・ヒラリー氏とシェルパのテンジン・ノルゲイ氏を始めとする遠征隊は、ロレックスのオイスター パーペチュアル クロノメーターを携行していました。この偉業をプロモーションにうまく活用することで、エクスプローラーIは世界中の人々に知れ渡ることとなりました。
エクスプローラーIの登場から18年後、1971年に誕生したのがエクスプローラーIIです。エクスプローラーIのシンプルな機能性を継承しつつ、さらなるツール機能を追加したモデルです。
エクスプローラーIIは、24時間ベゼルとオレンジの24時間針を備えたGMT機能、日付表示、視認性の高いドットインデックスなど、エクスプローラーIとは大きく異なるルックスと、よりサバイバルに適した性能を備えています。これらの機能のお陰で、着用者はタイムゾーンや日照時間という複雑な問題を容易に把握することができます。これは、地球の奥深くへと冒険する洞窟探検家にとって特に重要です。
できるだけシンプルにすることで耐久性を追求したエクスプローラーIに対し、エクスプローラーIIは洞窟探検など暗所でも活用しやすいツールウォッチとしての特性を持っており、ツール感のある見た目もあいまって多くの支持を集めています。
この記事では発売から50年以上経った現在も、根強い支持を集める通好みのモデル「エクスプローラーII」の歴史を紹介します。
エクスプローラーII 歴代ステンレスモデル年表
エクスプローラーIIは1971年に初登場し、2024年までに5回のモデルチェンジが行われています。
※古いモデルの製造期間、仕様に関しては正確な情報がないため、事実とは異なる場合がございます。あくまでも参考程度にご覧ください。
モデル | 年代 | ムーブメント | 世代 |
エクスプローラーII Ref.1655 | 1971年~1984年 | Cal.1570 | 第1世代 |
エクスプローラーII Ref.16550 | 1984年~1988年 | Cal.3085 | 第2世代 |
エクスプローラーII Ref.16570 | 1988年~2011年 | Cal.3185、Cal.3186 | 第3世代 |
エクスプローラーII Ref.216570 | 2011年~2021年 | Cal.3187 | 第4世代 |
エクスプローラーII Ref.226570 | 2021年~ | Cal.3285 | 第5世代 |
エクスプローラーII ステンレス 歴代モデル一覧
エクスプローラーII ステンレスの歴代モデルを紹介します。
エクスプローラーII Ref.1655
製造年代 | 1971年~1984年 |
キャリバー | Cal.1570 |
防水性能 | 100m |
ケース径 | 40mm |
ポイント | 第1世代、MKダイヤル、MKベゼル |
エクスプローラーII Ref.1655は、1971年に登場したエクスプローラーIIの初代モデルです。
Ref.1655は、当時としては珍しい24時間表示のベゼル、力強い印象を与えるスクエアインデックス、白のペイントが施されたペンシル針、先端が大きな矢印型で鮮やかなオレンジ色のGMT針など、個性的なデザイン要素が特徴のモデルでした。ちなみに、針の根本部分が黒く塗装されているため、ブラックダイヤルと一体化し、まるで浮かんでいるように見える、通称「ファントム効果」と呼ばれるデザインが採用されています。
1970年代はファッションが多様化した時代であり、Ref.1655のデザインもその時代の空気感を反映したものと言えるでしょう。Ref.1655のデザインは、当時のロレックスの中では異端とも呼べるもので、セールスはあまり振るわなかったようです。そのため、Ref.1655の流通量は少なく、現在の価格高騰につながっています。
Ref.1655には、製造時期の違いによってダイヤルやベゼルにデザインの違いがあり、その違いで希少価値が異なります。ダイヤルはMK1~MK5の5種類、ベゼルはMK1~MK4の4種類に分類され、特に高値で取引されているのが、MK1ダイヤルにMK1ベゼルの組み合わせなど、初期型の個体です。
MKダイヤルとMKベゼルの組み合わせは、MK1ダイヤルにMK1ベゼルのように、必ずしも番号が連動しているわけでなく、MK1ダイヤルとMK2ベゼルといった組み合わせもあり、全部で8種類のバリエーションが確認されています。このような個体差は、製造過程における部品の流用などによって生じたものと考えられ、ヴィンテージウォッチならではの特徴です。
Ref.1655の後継機にあたるRef.1655のエクスプローラーII Ref.16550から、現行モデルのようなデザインへと変わったため、Ref.1655はエクスプローラーIIの中でも異端児的存在といえますね。
エクスプローラーII Ref.16550
製造年代 | 1984年~1988年 |
キャリバー | Cal.3085 |
防水性能 | 100m |
ケース径 | 40mm |
ポイント | 第2世代、初のサファイアクリスタル風防、センタースプリット、アイボリーダイヤル |
エクスプローラーII Ref.16550は、1984年に登場したエクスプローラーIIの2代目モデルです。
Ref.16550はエクスプローラーIIのデザインが確立されたモデルといえます。
先代のRef.1655は、スクエアインデックスやオレンジ色の大きなGMT針など、ロレックスの時計の中では異彩を放つデザインでしたが、二代目のRef.16550からは、インデックス、針、24時間ベゼルといったパーツは他のロレックス同様なスタイルに落ち着きました。
インデックスは、Ref.1655の戦闘機の計器を思わせるようなスクエアインデックスとバーインデックスの組み合わせから、ドット・バー・逆三角形を組み合わせたロレックス定番のデザインへと変更されています。
針は主張の強かったホワイトのペンシル針から、ベンツ針へと変わりました。GMT針は、オレンジ色ではなく赤いバーに正三角形の先端がついたシンプルなものへ変わっています。
24時間ベゼルは、2|4|6|8|10|12|14|16|18|20|22|24という表記から、現行モデルと同じ2▼4▼6▼8▼10▼12▼14▼16▼18▼20▼22▼24という表記に変わりました。
その他、現代的な進化として、サファイアクリスタル風防の採用とムーブメントのハイビート化が挙げられます。
また、Ref.16550からダイヤルバリエーションが拡充され、ブラックダイヤルに加えてホワイトダイヤルとアイボリーダイヤルがラインナップされました。
Ref.16550のアイボリーダイヤルは、ホワイトダイヤルの経年変化による変色という説もありますが、針やインデックスのフチカラーがホワイトダイヤルではブラックなのに対し、アイボリーダイヤルではシルバーになっているなど、製造過程における意図的なバリエーションとして考えられます。
アイボリーダイヤル以外の珍しい個体としては、文字盤6時位置の上下2段の表記「SUPERLATIVE CHRONOMETER」と「OFFICIALLY CERTIFIED」において、単語と単語の間の空白が上下で揃っている「センタースプリット(レイルダイヤル)」と呼ばれる個体が、希少価値の高いレアモデルとして人気を集めています。
エクスプローラーII Ref.16570
製造年代 | 1988年~2011年 |
キャリバー | Cal.3185、Cal.3186 |
防水性能 | 100m |
ケース径 | 40mm |
ポイント | 第3世代、最後の40mmモデル、センタースプリット |
エクスプローラーII Ref.16570は、1988年に登場したエクスプローラーIIの3代目モデルです。
先代のRef.16550は製造期間約4年と短命でしたが、Ref.16570は20年以上のロングセラーモデルとなりました。
Ref.16570は、長い製造期間中にブレスレット、夜光塗料、フラッシュフィット、ラグ、ムーブメントなどの仕様変更や、王冠透かし彫りやルーレット刻印の追加など、様々なマイナーチェンジが行われたモデルです。
ダイヤルバリエーションは、先代のRef.16550にあったアイボリーダイヤルがなくなり、ブラックとホワイトのみとなりました。中古市場ではアイボリーダイヤルの個体も見られますが、これらは経年変化によってホワイトダイヤルが変色したものです。
Ref.16570でも、先代Ref.16550で人気のある「センタースプリット」と呼ばれるダイヤルが存在することが確認されています。
Ref.16570は、エクスプローラーII史上最後の40mmケースモデルであり、その後の2世代は42mmケースが採用されています。42mmサイズも洗練されたデザインですが、40mmサイズの方が手首に馴染みやすいと感じる方も多く、Ref.16570の人気が今後も続く可能性が高そうです。
エクスプローラーII Ref.216570
製造年代 | 2011年~2021年 |
キャリバー | Cal.3187 |
防水性能 | 100m |
ケース径 | 42mm |
ポイント | 第4世代、初の42mmモデル、モデル誕生40周年 |
エクスプローラーII Ref.216570は、2011年に登場したエクスプローラーIIの4代目モデルです。
1971年、冒険家たちの羅針盤として誕生したエクスプローラーIIは、40年の歳月を経て、2011年に第4世代モデルへと進化を遂げました。前モデルRef.16570から約20年ぶりのモデルチェンジとなったRef.216570は、ケースサイズを40mmから42mmに大型化し、よりスポーティな印象へと生まれ変わりました。
ケースサイズにあわせて、前モデルよりも大きく太くなった時針・分針と、24時間針を矢印型でオレンジカラーにすることで、視認性を大幅に向上させています。また、24時間針のオレンジカラーは、1971年に誕生した初代モデル Ref.1655へのオマージュも込められています。
また、初代と同じく針の根本がブラックにペイントされており、ブラックダイヤルの場合は針が浮遊しているように見える「ファントム効果」も再現されました。
20年の時を経て進化を遂げたRef.216570は、エクスプローラーIIの伝統を受け継ぎながらも、現代的な機能を備えた洗練されたモデルです。
エクスプローラーII Ref.226570
製造年代 | 2021年~ |
キャリバー | Cal.3285 |
防水性能 | 100m |
ケース径 | 42mm |
ポイント | 第5世代、パワーリザーブ70時間 |
エクスプローラーII Ref.226570は、2021年に登場したエクスプローラーIIの5代目モデルです。
Ref.226570は約10年ぶりのモデルチェンジを果たした現行モデルで、大きな変更点は70時間パワーリザーブを実現した新世代ムーブメントを搭載したという点です。前モデルのRef.216570ではパワーリザーブが48時間だったので、日常使いにおいての利便性が大きく向上しました。
前モデルでサイズアップしたケースサイズはそのままに、ラグが細くなりブレスレット幅が約1mm広くなっています。デザイン面での変化は少ないですが、「ファントム効果」をもたらしていた針のブラックペイントがなくなり、一般的な見え方となりました。
三重県鈴鹿市の質店「大蔵屋」ではエクスプローラーIIを高価買取中!
三重県鈴鹿市の質店「大蔵屋」では、エクスプローラーIIを高価買取しております。
エクスプローラーIIは、誕生当初より個性的なスポーツウォッチとして愛され続け、通好みの1本として確固たる地位を築いてきたモデルです。第4世代では、オレンジのGMT針やファントム効果と呼ばれるブラックダイヤルとの一体感を生み出すデザインなど、原点回帰ともいえる要素を取り入れることで、その人気を不動のものにしました。
大蔵屋でも、最新モデルからアンティーク・ヴィンテージモデルまで、エクスプローラーIIを高価買取しておりますので、エクスプローラーIIを高く売りたいというお客様はぜひ大蔵屋へご相談ください。
大蔵屋は、三重県鈴鹿市、津市、四日市市を中心に、多くのお客様にご愛顧いただいております。お客様第一主義をモットーに、質店の利用が初めての方でも安心してご利用いただけるよう、親しみやすい雰囲気作りを心がけていますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。また、「買取価格次第では売りたい」という場合は、まずはお電話でご相談ください。経験豊富なスタッフが、簡易査定を行い、およその買取価格をお伝えいたします。
大蔵屋では、買取だけでなく、質預かりも承っております。大切な品物を手放したくないけれど、資金が必要な場合に最適なサービスです。質預かりは、お客様のお品物を担保として預かることで、融資を行うサービスです。期間内にご返済いただければ、お品物は手元に戻ってきます。
・買取と違い、品物を手放さずに資金調達できる
・利息は発生するが、期間内に返済すれば元金のみのお支払い
・返済期限は延長可能
など、質預かりには様々なメリットがありますので、ぜひご検討ください。
大蔵屋では、ロレックス(ROLEX)の他にもオメガ(OMEGA)やブライトリング(Breitling)などのブランド時計、ルイヴィトン(LOUIS VUITTON)やエルメス(HERMES)などのブランドバッグや財布、金やプラチナなどの貴金属、iPhoneやiPadなどの電化製品まで、幅広く質預かり・買取を承っております。お気軽にご連絡ください!