ロレックス(ROLEX) GMTマスターIは、1955年から約45年間製造された人気モデルです。GMTマスターIIにバトンタッチする形で、1999年に廃盤となりました。
そんなGMTマスターIには、初代より金無垢モデルがラインナップされていました。この記事ではGMTマスターIの歴史を、金無垢モデルに絞って紹介します。
本記事は、できるだけ正確な情報を掲載するよう努めていますが、古いモデルについては、製造年や仕様などについて、複数の説が存在するため、事実と異なる可能性があります。そのため、本記事の情報は、あくまでも参考程度にご活用ください。
ロレックス GMTマスターとは
※冒頭では便宜上「GMTマスターI」としていますが、ここからは「GMTマスター」と表記いたします。
1950年代、世界は航空機の轟音とともに新たな時代を迎えようとしていました。 国境を越えた旅が夢ではなくなり、世界中の都市を結ぶ長距離路線が次々と誕生します。その時代を象徴する航空会社の一つが、まさにパンナム航空でした。
長距離路線を飛び交うパイロットたちは、刻々と変化する時空を正確に把握する必要がありました。 そんな彼らのニーズに応えるべく、パンナム航空は当時、世界初のダイバーズウォッチ「サブマリーナ」で名を馳せていたロレックスに協力を依頼します。
こうして誕生したのが、2つのタイムゾーンの時刻を同時に表示できる革新的な腕時計「GMTマスター」です。 24時間表記の回転ベゼルとGMT針を備え、パイロットたちは複雑な計算をすることなく、瞬時に必要な時刻を読み取ることが可能になりました。
単なる機能性にとどまらず、GMTマスターは洗練されたデザインでも注目を集めました。 ツートンカラーのベゼルは、単なる時間表示を超え、GMTマスターをひと目でそれとわかるアイコニックな存在へと昇華させています。
さらに、GMTマスターは完全なツールウォッチというだけでなく、ラグジュアリーな腕時計としての側面も持ち合わせていました。初代GMTマスターから金無垢モデルがラインナップされていたのもそのためです。
あえてワントーンベゼルの金無垢GMTマスターは、オールステンレスやコンビモデルとは一線を画す、ゴージャスな魅力を放ちます。
当時、アメリカでは国際線パイロットという職業がエリートの象徴とされていました。GMTマスターは、エリートパイロットを広告塔に起用することで、セレブ向けの高級時計としての地位を確立しようとしたと考えられます。このような経緯もあり、初代モデルから金無垢モデルがラインナップされていたものと思われます。
GMTマスター 歴代金無垢モデル年表
GMTマスターの金無垢モデルは3機種のみとなります。
※アンティークモデルの製造期間、仕様に関しては正確な情報がないため、事実とは異なる場合がございます。あくまでも参考程度にご覧ください。
モデル | 年代 | ムーブメント | 素材 |
GMTマスター Ref.6542/8 | 1955年~1959年 | Cal.1035、Cal.1036、Cal.1065、Cal.1066 | K18YG |
GMTマスター Ref.1675/8 | 1960年~1980年頃 | Cal.1570 | K18YG |
GMTマスター Ref.16758 | 1980年頃~1988年 | Cal.3075 | K18YG |
GMTマスター 金無垢 歴代モデル一覧
GMTマスター 金無垢の歴代モデルを紹介します。
GMTマスター Ref.6542/8
製造年代 | 1955年~1959年 |
キャリバー | Cal.1035、Cal.1036、Cal.1065、Cal.1066 |
防水性能 | 50m |
ケース径 | 40mm |
ポイント | 第1世代、プラベゼル(ベークライト)、茶単色、ラジウム夜光塗料、フジツボダイヤル、ニップルダイヤル、茶ツボ、アルファ針、ミニ針、リューズガード無し |
GMTマスター Ref.6542/8は、1955年に登場したGMTマスター 金無垢モデルです。GMTマスターの世代では1代目にあたります。
初代GMTマスター Ref.6542のステンレスモデルは、ペプシカラーのツートンベゼル、ベンツ針、そして赤いGMT針を備え、ひと目でGMTマスターとわかる特徴を持つ時計でした。
そんな、GMTマスター Ref.6542のバリエーションモデルとして登場したのが金無垢のRef.6542/8です。
ステンレスモデルと異なるのはカラーだけではありません。ステンレスモデルで象徴的なベンツ針はアルファ針に、ロリポップ秒針はバトン型秒針に変更されており、全体的に洗練されたデザインとなっています。
Ref.6542/8は、後にゴールド素材を採用したGMTマスターのポイントとなるフジツボダイヤル(ニップルダイヤル)も備えており、その点も魅力となっています。
Ref.6542/8は製造期間が短く、個体数が少ないため、極めて希少なモデルであり、実物を見かける機会はほとんどありません。
GMTマスター Ref.1675/8
製造年代 | 1960年~1980年頃 |
キャリバー | Cal.1570 |
防水性能 | 50m |
ケース径 | 40mm |
ポイント | 第2世代、黒単色、茶単色、フジツボダイヤル、ニップルダイヤル、茶ツボ、アルファ針、ミニ針、コンコルド |
GMTマスター Ref.1675/8は、1960年に登場したGMTマスター 金無垢モデルです。GMTマスターの世代では2代目にあたります。
Ref.1675/8は約20年製造されたロングセラーモデルで、製造時期によって文字盤表記の違いや針の違いなど、様々な個体差があり、それがアンティーク的価値に繋がっています。
コンビを含むRef.1675の文字盤は、表記の違いによりMK1からMK5まで分類されており、その中でも特に希少なのがMK1ダイヤルです。MK1ダイヤルは、OYSTERとPERPETUALの間に「-」が入ったOYSTER-PERPETUALという表記が特徴で、マットダイヤルでありながらニスを塗ったような光沢を持つという点も特筆すべきポイントです。
Ref.1675/8のMK1ダイヤルには、前期と後期の2種類が存在します。
MK1ダイヤル前期モデルは、アルファ針とバトン型秒針を採用し、ケースはリューズガードを備えていないシンプルなデザインが特徴です。これは、前モデルであるRef.6542/8のデザインを踏襲したものと思われます。
MK1ダイヤル後期モデルは、アルファ針ではなくバーハンドとなっており、秒針はバトン型です。また、MK1ダイヤル後期モデルの中でも、初期のものはリューズガード無し、後期のものはリューズガード有りに分かれています。
MK1ダイヤル後期モデルは、「コンコルド」というニックネームが付けられています。これは、当時最先端だった超音速旅客機「コンコルド」のテスト飛行の際に、テストパイロットが1968年製の金無垢GMTマスター Ref.1675/8 MK1ダイヤル後期を着用していたためです。
Ref.1675/8のMK1ダイヤルは、製造期間が短く、個体数が少ないため希少価値が高く、コレクターズアイテムとして大変人気があります。
MK1以降のRef.1675/8は、ベンツ針やロリポップ秒針を採用し、24時間表示用の三角形も大型化され、ステンレスやコンビモデルのGMTマスターと同様、スポーティーなデザインとなりました。
GMTマスター Ref.16758
製造年代 | 1980年頃~1988年 |
キャリバー | Cal.3075 |
防水性能 | 100m |
ケース径 | 40mm |
ポイント | 第3世代、黒単色、茶単色、クイックチェンジ、ハイビート化、初の100m防水、初のサファイアクリスタル風防、フジツボダイヤル、ニップルダイヤル、茶ツボ |
GMTマスター Ref.16758は、1980年に登場したGMTマスター 金無垢モデルです。GMTマスターの世代では3代目にあたります。
Ref.16758は、GMTマスターIとしては最後の金無垢モデルです。
前モデルであるRef.1675/8がロングセラーだったため、約20年ぶりのモデルチェンジとなりました。20年という月日は、GMTマスターを大きく進化させています。
Ref.16758のムーブメントには、GMTマスターとしては初のハイビートムーブメントであるCal.3075が搭載されました。振動数は毎時19,800振動から毎時28,800振動となり、精度向上に繋がっています。
また、Cal.3075には、普段使いする人にとって嬉しいクイックチェンジ機構が搭載されています。短針を回す必要がなく、簡単に日付を変更できるクイックチェンジ機能は、GMTマスターIIにはありません。
同じ世代のGMTマスターはステンレスもコンビもプラスチック風防でしたが、金無垢モデルのRef.16758だけはサファイアクリスタル風防が採用されていました。金無垢モデルのみの特別な仕様だったようです。
ステンレスのGMTマスターは、第4世代まで登場しましたが、金無垢モデルは第3世代で終了となりました。
三重県鈴鹿市の質店「大蔵屋」ではGMTマスターを高価買取中!
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GMTマスターといえばツートンベゼルが定番ですが、金無垢モデルも熱狂的なファンから支持されています。GMTマスターIの金無垢モデルにおいては、1988年に廃盤となっており、希少価値は高まる一方です。大蔵屋でもGMTマスターIの金無垢モデルを積極的に買取しておりますので、売却をご検討の際は、ぜひ大蔵屋にお任せください。
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