1992年、ロレックス(ROLEX)は、スポーツモデルに初めてレディースサイズを取り入れ、新たなラインナップとして「ヨットマスターレディース」を発表しました。
ロレックスのスポーツモデルといえば、デイトナやサブマリーナなど、男性的なデザインのモデルが多いのが特徴です。
従来のロレックスにおいてはレディースモデルはドレスウォッチであるデイトジャストなどに限定されており、スポーツモデルには女性向けのラインナップは存在していませんでした。
ロレックスのスポーツモデル特有の力強いデザインを、29mmの小ぶりなケースに凝縮したヨットマスターレディースは、エレガントなレディースデイトジャストとは対照的に、スポーティでアクティブなデザインであり、ロレックスのラインナップに新たな魅力をもたらしました。
この記事では、現在は廃盤となっているヨットマスター レディース コンビモデルに焦点を当て、その歴史を振り返っていきます。
本記事は、できるだけ正確な情報を掲載するよう努めていますが、古いモデルについては、製造年や仕様などについて、複数の説が存在するため、事実と異なる可能性があります。そのため、本記事の情報は、あくまでも参考程度にご活用ください。
ロレックス ヨットマスターとは
最初に、ヨットマスターの特徴をご紹介します。
ラグジュアリースポーツウォッチ
1992年、ロレックスの歴史に新たな1ページが刻まれました。それは、海への情熱と、女性たちのアクティブなライフスタイルを応援する「ヨットマスター」の誕生です。
ロレックスの他のスポーツモデルが誕生した1950年代から、海とのつながりは深く根付いていました。世界中のヨットクラブと手を組み、プロのセーラーたちと長い年月を共にしたロレックス。その経験と情熱が結晶となり、誕生したのがヨットマスターなのです。
本格的なスポーツモデルでありながら、ラグジュアリーな佇まいをあわせ持つヨットマスターは、アクティブなライフスタイルを送る女性たちにとって、日常使いできるラグジュアリーウォッチとしての新たな選択肢となりました。
ヨットマスターは、ロレックスにおける「ラグジュアリースポーツウォッチ(ラグスポ)」という新たなカテゴリーを切り開き、女性の腕時計選びに新たな風を吹き込みました。
斬新なラインナップ
ヨットマスター登場時は、それまでのロレックスのスポーツモデルにはなかった、金無垢素材と幅広いサイズ展開が大きな話題となりました。
ロレックスのスポーツモデルは、オールステンレス素材が主流でしたが、ヨットマスターはメンズやレディース問わず、すべてK18YG(18金イエローゴールド)金無垢モデルで展開されたのです。これは、ロレックスが意図的に「ラグジュアリースポーツ」という新たなカテゴリーを創出し、ヨットマスターをその代表格とする戦略の一環であったと考えられます。
また、サイズラインナップも革新的でした。従来のロレックススポーツモデルはメンズサイズのみでしたが、ヨットマスターは40mmメンズ、35mmボーイズ、29mmレディースの3サイズ展開。特に、男女ともに使いやすい35mmのボーイズサイズも展開されたことで、ペアウォッチとしても楽しめ、さらに、自分のスタイルに合わせたサイズ選びも可能になりました。
このように、ヨットマスターは、素材とサイズという点で、従来のロレックススポーツモデルとは一線を画す、新しいモデルだったのです。
ヨットマスターの性能
ヨットマスターはプロフェッショナルツールとして使用することができる、高い機能性を備えています。
まずは100mの防水性能。ヨットマスターは、水しぶきがかかるような状況だけでなく、水没しても耐えられる高い防水性能を誇ります。これは、マリンスポーツを楽しむ際に不可欠な機能です。
次に高い堅牢性。ロレックス独自のオイスターケースを採用し、高い耐水性と耐衝撃性を確保しています。
そして回転ベゼル。ベゼルを回転させることで経過時間を計測できる機能は、ヨットレースでのタイム計測や日常シーンでも役立ちます。
ヨットマスターのデザイン
ヨットマスターは、ロレックスの代表的なスポーツモデルであるサブマリーナと共通のデザイン要素を多く持ち、一見すると非常に似ています。ドット&バーインデックスやベンツ針、60分目盛りのベゼルなど、これらの特徴はロレックススポーツモデルのアイデンティティと言えるでしょう。
しかし、ヨットマスターには、他のロレックスモデルには見られない、独特のベゼルデザインが採用されています。ベゼル表面には、サンドブラスト加工によるマットな梨地仕上げと、ポリッシュ加工による光沢のあるエンボス加工が施されており、これらが絶妙に組み合わさることで、ヨットマスターならではの深みのある表情を生み出しています。この特徴的なベゼルは、ヨットマスターのアイデンティティを象徴する最も重要な要素の一つと言えるでしょう。
ヨットマスター レディース 歴代コンビモデル年表
ヨットマスター レディースのコンビモデルは、2モデルのみとなっています。ヨットマスター レディースは2014年で廃盤となりました。
※古いモデルの製造期間、仕様に関しては正確な情報がないため、事実とは異なる場合がございます。あくまでも参考程度にご覧ください。
モデル | 年代 | ムーブメント | 素材 |
ヨットマスター Ref.69623 | 1997年~1999年 | Cal.2135 | SS×K18YG |
ヨットマスター Ref.169623 | 1999年~2014年 | Cal.2235 | SS×K18YG |
ヨットマスター レディース 歴代コンビモデル一覧
ヨットマスター レディース 歴代コンビモデルを紹介します。
ヨットマスター Ref.69623 SS×K18YG
製造年代 | 1997年~1999年 |
キャリバー | Cal.2135 |
防水性能 | 100m |
ケース径 | 29mm |
ポイント | レディース初のコンビモデル |
1997年に登場したヨットマスター Ref.69623は、初代ヨットマスターの金無垢モデルが持つ高級感を維持しつつ、より幅広い層に受け入れられるよう、ステンレススチールとのコンビモデルとして誕生しました。ステンレススチールとK18YG(18金イエローゴールド)のコンビであるイエローロレゾールです。
初代ヨットマスター レディースモデルの苦戦と進化
1992年に登場した初代ヨットマスターシリーズは、ラグジュアリースポーツウォッチという新たなカテゴリーを切り開きましたが、新ジャンル故の課題も抱えていました。
高価格と限られた着用シーン
初代ヨットマスターのレディースモデルは、他のサイズと同様にオール金無垢仕様で、非常に高価な価格設定でした。そのため、日常的に着用するにはハードルが高く、特別なシーンでしか身に着けることができないという点が、購入を躊躇わせる要因の一つでした。
また、イエローゴールド金無垢の華やかさは、すべての女性が求めるものではなく、よりカジュアルなデザインを好む女性にとっては、少し派手すぎるという印象もあったかもしれません。
コンビモデルの登場と進化
初代ヨットマスターの課題を解決するために、1997年に登場したのが、イエローロレゾール仕様のヨットマスター レディース Ref.69623とヨットマスター ボーイズ Ref.68623です。
金無垢モデルに比べて価格を抑えつつ、ラグジュアリーな雰囲気を保ったこのモデルは、より幅広い層の顧客から支持を集めました。しかし、わずか2年でモデルチェンジとなり、短命に終わったモデルでもあります。
メンズモデルに関しては、2年後にロレジウムモデルを発表することを控えていたためか、初代ヨットマスター コンビモデルはレディースとボーイズのみの展開でした。
金無垢モデルとの違い
ヨットマスター レディースの初代コンビモデルであるRef.69623と、金無垢モデルのRef.69628は、主な違いが素材である点が特徴です。Ref.69623は、ステンレススチールとイエローゴールドのコンビモデルであり、Ref.69628は、イエローゴールド金無垢モデルとなっています。
Ref.69623は、1997年の登場からわずか2年後の1999年に、ツインブリッジ構造のCal.2235を搭載した新型モデルに切り替わる際に廃盤となりました。このモデルチェンジは、ムーブメントの進化に伴うもので、デザインなどの大きな変化はありません。
ヨットマスター レディースのコンビモデルをお求めの際は、最終型のRef.169623だけでなく、初代のRef.69623も選択肢に入れてはいかがでしょうか。
ヨットマスター Ref.169623 SS×K18YG
製造年代 | 1999年~2014年 |
キャリバー | Cal.2235 |
防水性能 | 100m |
ケース径 | 29mm |
ポイント | レディース最後のコンビモデル、ムーブメントのツインブリッジ化 |
ヨットマスター Ref.169623は、1999年に登場した、レディースサイズのK18YG(18金イエローゴールド)コンビモデルです。
ムーブメントの進化
Ref.169623はヨットマスター レディース コンビの2代目にあたるモデルで、先代との大きな違いはムーブメントの進化です。
Ref.169623には、ツインブリッジ構造を採用したCal.2235が搭載されました。ムーブメントの心臓とも言えるテンプを支えるブリッジが、1つから2つになったことにより、部品のたわみを抑制し、ムーブメント全体の剛性が高まりました。剛性の向上は、ムーブメントの精度、安定性、耐久性の向上に繋がっています。
偽物・コピー対策
ロレックスは、世界的に高い人気を誇る高級時計ブランドであり、その人気ゆえに偽物が多く出回っています。そのため、ロレックスは長年にわたり、偽造品対策を強化し、本物のロレックスを見分けるための様々な工夫を凝らしてきました。
その代表的な偽造対策として、風防の王冠透かしとルーレット刻印がありますが、それらの偽造対策が施されたのが、Ref.169623の世代からとなっております。
Ref.169623の発売当初より採用された風防の王冠透かしは、サファイアクリスタル製の風防にレーザーで刻印されたロレックスの王冠マークのことです。サファイアクリスタルに精密な刻印を施す技術は非常に高度であり、偽物がこの透かしを完全に再現することは困難です。また肉眼では見えにくい程に小さな刻印となっています。
2007年に追加されたルーレット刻印は、ダイヤルと風防の間、外周の立ち上がり部分であるインナーリングに「ROLEX ROLEX ・・・」と刻印されたものです。インナーリングを一周ぐるりと囲むように刻印されています。
ヨットマスター レディースの終焉
2014年、ケースサイズ29mmのヨットマスター レディースシリーズは廃盤となりました。ヨットマスター ボーイズに統合された形です。
したがって、ヨットマスター レディースのコンビモデルは、Ref.169623で最後となりました。
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2014年に惜しまれつつ生産終了となったヨットマスター レディースは、29mmというコンパクトなケースに、ロレックス スポーツモデルならではの力強さを凝縮した魅力的なモデルでした。その洗練されたデザインは、時を経ても色褪せることなく、多くの人々を魅了し続けています。中古市場においても根強い人気があり、常に安定した需要がございます。
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