ロレックスのリューズの役割、できること
ロレックスの腕時計におけるリューズの役割は、主に以下の5つです。
・ぜんまい巻きあげ
・時刻合わせ
・日付合わせ(デイトがあるモデル)
・GMT合わせ(エクスプローラーII・GMTマスターII)
・曜日合わせ(デイデイト)
ここでは、サブマリーナ デイト Ref.116***シリーズを参考に、それぞれの調整方法をご紹介します。GMT合わせについてはGMTマスターII Ref.126シリーズを、曜日合わせはデイデイト36 Ref.128***シリーズを参は考にします。
※仕様変更などの可能性もあり、方法はモデルや年代によって異なりますので、作業前にはマニュアルをご覧いただくか正規店へお問い合わせください。
ロレックスのリューズの引き出しはデイト表示のあるモデルの場合は三段目まであり、目的によって引き出し具合が変わります。
デイト表示が無いモデルでは、二段目が分針送りです。
一段目 | ゼンマイの巻き上げ時 |
二段目 | 日付送り、曜日送り(日付合わせ / 曜日合わせ)、GMT合わせ |
三段目 | 分針送り(時刻合わせ) |
ゼンマイの巻き方
時計を腕から外して作業しましょう。
リューズを6時方向にゆっくり回し、リューズのロックを解除します。この状態をリューズの一段目とします。
一段目まで緩めた状態のリューズを12時方向にゆっくりと巻き上げます。30~40回ほど回しましょう。
無理に回しすぎないように注意してください。
最後に、リューズをケースにねじ込んで、しっかりとロックしましょう。
時刻の合わせ方 / 変更方法
リューズを6時方向にゆっくり回し、リューズのロックを解除します。
時計がすでに止まってしまっている場合は、まずはゼンマイを巻き上げて動いている状態にしましょう。
時計が動いている場合は、一段目まで緩めたリューズを三段目まで引き出します。
引き出す際は、リューズをつまんで無理やり引っ張るのではなく、リューズをまっすぐ引き出すことを意識しましょう。くれぐれも力を入れすぎないようにしてください。 三段目までリューズを引き出したら、リューズを12時方向にゆっくり回して時刻を合わせましょう
時刻合わせが終わったら、リューズを一段階ずつ押し込み、最後にケースにねじ込んで、しっかりとロックしてください。
日付の合わせ方 / 変更方法
ロレックスのデイトモデルの日付合わせは注意点があります。
日付変更禁止時間帯について
日付変更禁止時間帯について
日付変更の際は、時間帯に注意する必要があります。
2010年年代までのロレックスデイトモデルには、日付変更禁止時間帯がありました。
・20時(午後8時)~4時(午前4時)の8時間
・0時(午前0時)~6時(午前6時)の6時間 上記が日付変更禁止時間帯です
2015年に登場したCal.3235、Cal.2236、Cal.3255といった新型ムーブメントを搭載しているモデルには日付変更禁止時間帯はありません。
メンズモデルの場合は型番が「Ref.126***」または「Ref.228***」、レディースモデルの場合は「Ref.279***」となっているモデルなどが、日付変更禁止時間帯の無いモデルに該当します。
※仕様変更などありますので、作業前にはマニュアルをご覧いただくか正規店へお問い合わせください。
日付の合わせ方
※日付変更禁止時間帯以外の時の変更方法です。
リューズを6時方向にゆっくり回し、リューズのロックを解除します。
リューズをつまんで、二段目まで引き出します。
二段目まで引き出したら、リューズを12時方向に回して日付を合わせます。
日付合わせが終わったら、リューズを一段目まで押し込み、最後にケースにねじ込んで、しっかりとロックしてください。
GMTモデルの日付の合わせ方
GMT機能を有するGMTマスターIIとエクスプローラーIIは、日付の合わせ方が少し異なります。
デイトジャストなどのデイトモデルの場合、リューズを二段目まで引き出した状態で回すと、カレンダーが動きますが、現行のGMTモデルではカレンダーを直接動かすことはできません。
GMTモデルの場合はリューズを二段目まで引き出した状態で回すと短針が単独で動きます。短針を2周回すと日付が1日ずつ動き、カレンダーを調整することができます。
日付合わせが終わったら、リューズを一段目まで押し込み、最後にケースにねじ込んで、しっかりとロックしてください。
GMTの合わせ方 / 変更方法
GMTマスターII、エクスプローラーIIのGMTの合わせ方です。
参考例として以下の3つの時間帯で説明します。
時間帯 | 場所 | 時刻 | 時差(東京基準) |
第一時間帯 | 日本 東京 | 16:00 | - |
第二時間帯 | スイス チューリッヒ | 09:00 | -7時間 |
第三時間帯 | オーストラリア シドニー | 17:00 | +1時間 |
まずはリューズ操作の事前準備です。
リューズを6時方向にゆっくり回し、リューズのロックを解除します。
リューズをつまんで、二段目まで引き出します。
GMTマスターII、エクスプローラーIIはリューズを二段目まで引き出したら短針の単独操作が可能となるので、二段目まで引き出した状態がGMTを合わせるためのスタート地点です。
第二時間帯(スイス)の合わせ方
日本の時間が16時のとき、スイスの時間はマイナス7時間で9時です。
まずは、スイスの時間を短針と文字盤、長針で確認できるように設定します。
リューズを回して、短針をスイスの時間である9時に合わせることで、短針と文字盤、長針でスイスの時間を把握できるようになります。
第二時間帯まで設定した場合の日本時間の確認方法は以下の通りです。
日本の時間はGMT針と回転ベゼル、長針で確認します。
GMT針は回転ベゼルの16時を指しているはずなので、GMT針と回転ベゼル、長針を使って日本の時間である16:00を把握できます。
これで、日本とスイスの2つの時間を確認できます。
第三時間帯(オーストラリア)の合わせ方
リューズは使いませんが、第三時間帯の合わせ方も説明します。
ここで設定する第三時間帯はオーストラリアなので、日本プラス1時間の時差です。
オーストラリアの時間を短針と回転ベゼル、長針で確認できるように設定します。
回転ベゼルを時計回りに1時間分進めることで、GMT針が回転ベゼルの17時を指し、オーストラリアの時間が17:00であることを把握できます。
第三時間帯まで設定した場合の日本時間の確認方法は以下の通りです。
GMTマスターIIの文字盤のアワーマーカーは、5分ごとにドットもしくはバーとなっています。第二時間帯までの使用時は、ドットもしくはバーごとに1時間として見て、12時間表記の文字盤として使います。
しかし、GMT機能を第三時間帯まで活用する場合、ドットもしくはバーごとに2時間として考え、2倍の24時間表記の文字盤として考えるのです。
GMT針が文字盤アワーマーカーの8時位置のドットを指している場合は、8×2=16時となります。
上記の見方をすることにより、回転ベゼルを第三時間帯に合わせた場合でも、GMT針で東京の時間を把握することができるのです。
第三時間帯まで設定する場合の、それぞの時間帯の 時間(Hour) の確認方法をまとめると、以下の通りです。
時間帯 | 場所 | 時刻 | 時間(Hour)の確認方法 |
第一時間帯 | 日本 | 16:00 | GMT針と文字盤を24時間表記として見る |
第二時間帯 | スイス | 09:00 | 短針と文字盤 |
第三時間帯 | オーストラリア | 17:00 | GMT針と回転ベゼル |
曜日の合わせ方 / 変更方法
デイデイトの曜日変更方法です。
リューズを6時方向にゆっくり回し、リューズのロックを解除します。
リューズをつまんで、二段目まで引き出します。
二段目まで引き出したら、リューズを6時方向に回して日付を合わせます。(日付合わせの逆回転)
日付合わせが終わったら、リューズを一段目まで押し込み、最後にケースにねじ込んで、しっかりとロックしてください。
ロレックス リューズのトラブルの原因
ロレックスのリューズトラブルの原因をご紹介します。普段から取り扱いに注意することで、トラブルを避けられるかもしれませんので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
リューズの隙間への異物混入
ロレックスのリューズは基本的にねじ込み式です。ゼンマイ巻き上げや時刻合わせの際に、リューズをしっかりとねじ込んでいなかった場合、ケースとリューズの間に隙間ができてしまいます。
その隙間に皮脂やホコリといった汚れがたまることで、リューズの動きが悪くなってしまうことがあります。使用時はリューズをしっかり締め、汚れがある場合は柔らかい歯ブラシなどで清掃しましょう。汚れが落ちない場合は時計修理店に依頼してください。
リューズが錆びている(茶錆・緑錆)
ロレックスの時計には腐食に強い904Lスチールが採用されており、高い防水性能を持っていますが、環境や使用方法によって錆(サビ)が発生してしまいます。
リューズも例外ではありませんので、湿度の多い環境に放置しない、日頃からリューズとケースの間を清掃しておくなどの対策が必要です。 また、ステンレス素材は空気と接することで薄い酸化被膜が形成されますので、たまにリューズを開放したり、汚れでステンレスが覆われていない状態を保つようにしましょう
リューズにサビがある場合、ケース内部にもサビが広がっている可能性がありますので、サビを確認した場合はできるだけ早く時計修理店へ相談しましょう。
リューズや周辺部品の潤滑油が切れている
時計は金属と金属が噛み合う構造となっていますので、摩擦を軽減するために潤滑油(グリス)が必要です。
この潤滑油は経年劣化していくため、定期的な塗り直しが必要となります。潤滑油といっても適当な機械油やミシン油を使用してしまうと内部のパッキンなどを傷めてしまいます。
定期的なオーバーホールが一番の油切れ対策となります。
リューズのネジ山が潰れている
ロレックスの時計はねじ込み式リューズとなっており、ケース側とリューズにネジ山があります。無理なねじ込み方をしたり、経年劣化による摩耗などでネジ山が潰れ、ねじ込み不良を起こすことがあります。
ネジ山が潰れた場合はリューズの交換、またリューズの受け側、ケースチューブの交換が必要になりますので、修理店へ依頼しましょう。
ロレックス リューズ故障の症状
ロレックスのリューズ操作を行おうとした時、ここで紹介するような症状がある場合は故障の可能性があります。
故障が疑われる場合は、時計修理店に修理を依頼する必要があります。
売却予定の場合は、ご自身で修理に出して修理費用をかけるより、そのまま買取に出してしまう方がプラスになる可能性がありますので、まずは大蔵屋までご相談ください。
リューズが固い / 回らない
リューズが固くて回らない場合、リューズの隙間に汚れが詰まっている、もしくはリューズが錆びていることが考えられます。
無理に回そうとするとリューズが折れてしまう可能性があるため、修理に出すようにしましょう。
メンテナンスとして、たまにリューズを開閉、回すことも大切です。
リューズが空回りする
リューズが緩かったり、空回りする場合は、経年劣化による内部部品の破損・摩耗が考えられます。
この場合、リューズだけの問題ではない可能性がありますので、すぐに修理に出すようにしましょう。
リューズが取れた / 巻き芯が折れる
時刻や曜日合わせを行う時に、リューズを強く引っ張ってしまいリューズが抜けてしまう時があります。
抜けてしまったリューズを無理に押し込もうとすると、別の故障に繋がる可能性がありますので、リューズが抜けてしまった場合も修理に出すのがいいでしょう。
リューズが抜けてしまった穴部分からゴミなどが入らないように、密閉した袋やラップで巻くなどして対策しておきましょう。
三重県鈴鹿市の質店「大蔵屋」ではロレックスを高価買取中!
この記事では、ロレックス(ROLEX)のリューズの役割やトラブルについてご紹介しました。リューズ自体の部品価格はそこまで高価ではありませんが、リューズの不調が時計全体の不調に繋がる可能性も十分にありますので、リューズの取り扱いには気をつけるようにしましょう。
大蔵屋は三重県鈴鹿市・津市・四日市市などのお客様を中心にご愛顧いただいているアットホームな質店です。不要になったロレックスの買取は、ぜひ大蔵屋にお任せください。確かな鑑定眼と知識で適切な査定を行います。
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