近年、製造刻印・シリアルナンバーの刻印や記載を廃止するハイブランドが増えています。
この記事では、製造刻印・シリアルナンバーを廃止したブランドや、製造刻印・シリアルナンバーの変わりとなるシステム「RFID」についてご紹介します。※あくまで参考程度にご覧ください。
※RFIDは現在、すごいスピードで進化している技術です。アンテナの形状や仕組みなどは今後も変化していきますので、2023年時点での内容としてご覧ください。
製造刻印がない・シリアルナンバーがないブランド品は本物?偽物?
こんにちは、三重県鈴鹿市の質店「大蔵屋」です。
高級ブランド品を購入した際に、「製造刻印がないけど大丈夫?」や「シリアルナンバーがないけど、これって本物?」と不安に思った経験のある方もいらっしゃるかと思います。
一昔前では、偽ブランド品の中でも質の低いものにはシリアルナンバーが存在しないことがあったりもしました。
しかし、近年ではRFIDという新たなシステムの導入により、製造刻印・シリアルナンバーの刻印を廃止するブランドが増えています。それらのブランドは、本物であっても製造番号の刻印・シリアルナンバーが無いのです。
ここからは、すでに様々なものに導入されているRFIDについて、そしてRFIDを導入しているハイブランド、RFIDの確認方法などを紹介していきます。※あくまで参考程度にご覧ください。
RFIDとは?
RFIDとは、電波を用いてICチップに記録された情報を非接触で読み書きする自動認識技術で、正式名称をRadio Frequency IDentification(レイディオ・フリークェンシー・アィデンティフィケーション)といいます。
例えば、従来のバーコードの場合は一つ一つスキャンして読み取る必要がありました。
しかし、RFIDの場合は、離れた距離からでもタグを読み取ることができるうえ、複数のタグを一括で読み取ることができます。
ある程度近い距離からスキャナをかざすだけでタグを読み取ることができるので、複数の商品を取り扱う衣料品店の棚卸しなどがスピーディーに行なえます。
以下の動画は、従来のバーコードスキャン、そしてRFID読み取りでの棚卸しスピードの比較です。RFIDになると、どれだけ効率化できるかがわかると思います。
動画引用元:You Tube「RFID棚卸し」
ICタグ・RFタグとは
RFIDという言葉は、情報が書き込まれたICタグや、それらのタグを読み取るRFIDリーダーなどを含む総称です。つまり、RFIDという言葉は、システム全体を指す言葉となります。
基本的には、商品や商品タグにはICタグやRFタグと呼ばれるものが埋め込まれ、それをスキャナーで読み込む形で利用するのが一般的です。
ICタグおよびRFタグは、情報が書き込まれたICチップとアンテナで構成されています。ただし、アンテナとは昔のラジオのようなものではなく、厚紙に埋め込めるほど薄いフィルム状のアンテナです。
このICチップとアンテナを組み合わせたものを「インレット」といい、インレットを保護素材で加工し、商品や商品タグに埋め込む形で利用されています。
RFIDの身近な使用例
RFIDを導入している身近な例といえば、UNIQLOやGUのレジですね。トレイ部分に商品を置き、会計を始めると、すぐに商品の情報と合計金額が表示されるので、初めて利用した時は驚いた方も多いかと思います。
「離れた距離から複数のタグを一括で読み取ることができる」というRFIDの特徴を活かしたレジというわけですね。
UNIQLOやGUの場合は、紙製の商品タグにICタグおよびRFタグが埋め込まれています。紙タグを光で透かして見ると、紙タグの中に独特な形のものが入っているのがわかるかと思います。これが、ICタグおよびRFタグ(インレット)です。
RFIDとハイブランド
昨今、ルイヴィトン(LOUIS VUITTON)をはじめとしたハイブランドもRFIDを導入し、製造番号・シリアルナンバーの表記を廃止しています。
RFIDは物品の管理において非常に有用なシステムですが、ハイブランドがRFIDを導入し始めたのは物品管理のみならず、偽物対策という側面も重要な要素となっているものと思われます。
従来の刻印は、目で見てわかるというメリットがある反面、偽造されやすいという難点がありました。スーパーコピー品のクオリティは常に進化しており、RFIDは商品の情報以外にもコピー品の対抗策の1つとして導入され始めたのではないでしょうか。
RFIDがあるから本物というわけではない
ICタグの読み取りはスマホアプリ「NFC Tools」などのリーダーアプリで行えます。
ブランドバッグのICタグが埋め込まれている部分にNFC Toolsをかざすと、リーダーアプリにICタグが入っていることが表示されます。
しかし、これはあくまでも「ICタグが入っていますよ」というだけの表示なので、そのICタグに記録された情報は読み取れません。すべての情報を読み取れるのは、それぞれのブランドだけなので、ブランドでない限り、RFIDを真贋判定に利用することはできないのです。
例えばルイヴィトン(LOUIS VUITTON)の場合、ブランドが所有している専用の端末を利用すれば、そのアイテムについての様々な情報が確認できるようです。
現状は以下の通り。
・ブランドが所有している専用端末でしか情報は読み取れない
・RFIDは、所有者自身や買取店が真贋判定に利用できるものではない
近頃では、RFIDを埋め込んだコピー商品も確認されているようです。
※一部のブランド(グッチなど)は、NFC Toolsなどのリーダーアプリを使ってもRFIDを確認できないことがあります。
参考例 ルイヴィトンのICタグ(ICチップ)を確認する方法
RFIDを確認したいという場合は、スマートフォンアプリ「NFC Tools」が便利です。
アプリを起動させて品物に近づけるだけ、誰でも簡単にRFIDを確認することができます。
同じブランドのバッグや財布でも、ICタグが埋め込まれている場所は様々なので、品物にスマートフォンをかざしながらチェックしていき、ICタグが入っている場所にきたらアプリが反応します。
※ルイヴィトン(LOUIS VUITTON)のRFIDはNFC Toolsで確認できますが、その他ブランド(GUCCIなど)はNFC Toolsで確認できない場合があります。
RFIDを導入しているハイブランド一覧
昨今では、誰もが知っているような大手のハイブランドにおいてもRFIDが導入されています。ここでは、RFIDを導入しているハイブランドをご紹介します。
ブランド | RFID導入 |
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON) | 2020年~ |
シャネル(CHANEL) | 2021年~ |
ディオール(DIOR) | 近年 |
フェンディ(FENDI) | 近年 |
グッチ(GUCCI) | 2020年~ |
ボッテガヴェネタ(BOTTEGA VENETA) | 2021年~ |
ブルガリ(BVLGARI) | 近年 |
プラダ(PRADA) | 2021年~ |
ミュウミュウ(MIU MIU) | 2021年~ |
※導入年度にはズレがある可能性があります。参考程度にご覧ください。 ※各ブランドの付属品の有無などは販売タイミングや商品によって異なりますので、参考程度にご覧くださ
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)
最も気になっている方が多いのがルイヴィトン(LOUIS VUITTON)ではないでしょうか。
ルイヴィトンでは2020年後半よりRFIDが導入され、2021年にかけて商品ごとに切り替わっていったようです。
以前はバッグの内側などに製造番号が刻印されていましたが、RFIDへの切り替えとともに廃止となりました。RFID化商品では製造年などはわかりません。
RFIDは、バッグや財布の内部にスマホをかざすと確認できます。
シャネル(CHANEL)
シャネル(CHANEL)は2021年の春夏よりRFIDの導入が開始されました。
以前は、商品に貼られたシリアルシール+ギャランティカードが付属されていましたが、それらは廃止となっています。※商品によって状況は異なります。
バッグなどの場合はICタグが埋め込まれた金属プレートが取り付けられるようになりました。財布などの小物にはICタグが埋め込まれたシールが貼り付けられています。
ディオール(DIOR)
ディオール(DIOR)もここ数年でRFIDが導入されています。
以前は、ギャランティカードに「購入した店舗の情報」手書きの「購入日」や「型番」などが記載されていました。
RFID化されてからは、ギャランティカードから上記の情報がなくなり、バーコードが記載されているだけとなります。
フェンディ(FENDI)
グッチ(GUCCI)
グッチ(GUCCI)では2020年のコレクションよりRFIDの導入が始まりました。
GUCCIは紙タグにICタグが埋め込まれています。一部の商品では、商品自体にICタグが埋め込まれています。
ボッテガヴェネタ(BOTTEGA VENETA)
ボッテガヴェネタ(BOTTEGA VENETA)も2021年の製造品からRFIDが導入されています。
ルイヴィトンなどと同じく、商品の内側にICタグが埋め込まれています。
ブルガリ(BVLGARI)
ブルガリ(BVLGARI)も近年、RFIDが導入されています。
ICタグは製品の内側に埋め込まれ、RFID搭載商品には、RFIDについてのカードも付属されます。
プラダ(PRADA)
プラダ(PRADA)では2021年の製造分よりRFIDの導入が始まりました。
バッグや財布の場合は本体の側面にICタグが埋め込まれており、衣類や小物は内側のネームタグにICタグが縫い付けられています。
RFID導入商品には、RFIDについての説明書も付属されます。
ミュウミュウ(MIU MIU)
miumiu(ミュウミュウ)もプラダと同じく2021年の製造分よりRFIDの導入が始まりました。
RFID搭載商品には、RFIDについての説明書も付属されます。
エルメス(HERMES)は今のところRFIDは導入していない
エルメス(HERMES)は2023年時点でRFIDを導入していません。
買取の際は購入時のレシートが重要になってくる可能性がある
多くのハイブランド商品にRFIDが導入されはじめてまだ数年しか経っていません。
RFID化された商品は、購入者や買取店にて製造年を調べることができません。
現時点ではRFID化している=ここ数年の商品とわかるのでいいですが、時間が経つにつれ、年式がわかりにくくなっていきます。
そこで重要となってくる可能性があるのが、購入時のレシート原本です。
レシートには購入店舗、購入年月日、商品型番などが記載されているので、そのお品物の情報を知る上で(証明する上で)役立つ可能性がございます。※状況によります。
ブランドバッグや財布の買取なら大蔵屋へ
三重県鈴鹿市・津市・四日市市のお客様を中心にご愛顧いただいている大蔵屋では、ブランドバッグや財布の買取を積極的に行っております。
RFID化された商品の買取も数多く行っておりますので、買取価格が気になるというお客様はお気軽にご相談ください。お品物を手放すことなく資金を調達できる質預かりも承っております。
RFIDを導入するブランドが増えてきていますが、RFIDでの真贋判定はブランドだけしかできません。やはり従来と同じく、金具や素材など総合的な真贋判定が必要となってきます。
大蔵屋は常に情報をアップデートし、しっかりと査定させていただきますので、まずはご連絡ください!