ロレックス(ROLEX) ヨットマスターの歴代モデル一覧。【ボーイズ】ロレジウムモデルの歴史を完全網羅

1950年代からデイトナやサブマリーナなど、数々の名作スポーツモデルを発表し、その名を世界に轟かせたロレックス。そんなロレックスが1992年に発表した「ヨットマスター」は、従来のスポーツモデルとは一線を画す革新的なモデルでした。

マリンスポーツやビーチリゾートを楽しむ富裕層向けに開発されたヨットマスターは、「ラグジュアリースポーツ」という新たなジャンルを開拓すべく、今までになかった試みが行われました。

それは、ボーイズやレディースといったメンズ以外のサイズ展開です。当時、スポーツモデルはメンズサイズのみが主流だったので、ヨットマスターのサイズ展開は革新的でした。

この記事では、ヨットマスター ボーイズ ロレジウムモデルに焦点を当て、その歴史を振り返っていきます。

本記事は、できるだけ正確な情報を掲載するよう努めていますが、古いモデルについては、製造年や仕様などについて、複数の説が存在するため、事実と異なる可能性があります。そのため、本記事の情報は、あくまでも参考程度にご活用ください。

ロレックス ヨットマスターとは

最初に、ヨットマスターの特徴をご紹介します。

ロレックスとヨットレース

モータースポーツやダイビングなど、極限の環境で活躍するプロフェッショナルのために、高性能な腕時計を開発してきたロレックス。そんなロレックスが、1992年に発表したのが「ヨットマスター」です。

1958年、ロレックスは歴史ある国際ヨットレース「アメリカズカップ」を創設したニューヨーク・ヨットクラブとパートナーシップを結びました。この出会い以降、ロレックスは世界中のヨットクラブとパートナーシップを築き、セーリング競技の発展に深く貢献してきました。

ヨットレースは、高度な技術と戦略が要求される、まさに知と力のスポーツです。そんなヨットレースの過酷な環境で、プロセーラーたちが求めいていたのは、高い防水性と視認性、そして操作性を兼ね備えた腕時計でした。

ロレックスは、長年に培ってきた時計製造技術と、ヨットレースへの深い理解を活かし、「ヨットマスター」を開発したのです。

ラグジュアリースポーツ

ヨットマスターはセーリングの際に活躍するプロフェッショナルウォッチであると同時に、手首をエレガントに飾るラグジュアリーウォッチでもあります。

ヨットマスターの「ラグジュアリースポーツ」という新たなコンセプトは、従来のスポーツモデルとは異なるものでした。マリンスポーツやビーチリゾートを楽しむ富裕層のライフスタイルを意識し、ターゲットにあわせた素材やサイズ展開を実施することで、新たなユーザー層を取り込む意図があったものと推測されます。

まずは、金無垢素材。ヨットマスターの初代モデルは、サイズにかかわらず、すべてイエローゴールド金無垢モデルのみでした。ロレックスの他のスポーツモデルでは、ステンレスモデルが基本です。スポーツモデルでありながら、金無垢のみのラインナップというのは、それまでの常識を覆すものでした。

次に、サイズ展開です。ヨットマスターの初代モデルでは、40mmのメンズサイズ、35mmのボーイズサイズ、29mmのレディースサイズの3サイズが用意されました。ロレックスのスポーツモデルで、メンズ以外のサイズが初めてラインナップされたのはヨットマスターでした。現在も、ヨットマスターのみとなっています。

梨地仕上げとエンボス加工の絶妙なベゼルデザイン

初代から続くヨットマスターの特徴といえば、独特なベゼルデザインです。ベゼルの表面はサンドブラスト加工によってマットな質感の梨地仕上げになっており、ザラっとした質感は素材の持つ輝きにメリハリを与えると共に、個性を与えています。

ロレジウムモデル

金無垢のみで展開を開始したヨットマスターは、その価格やゴージャスな見た目から、着用する層が限られてしまうという課題があります。

この課題を解決したのが、ステンレスとプラチナのコンビモデル「ロレジウム」です。ロレジウムは、ケースやブレスレットをステンレス、ベゼルディスクやダイヤルをプラチナで構成したコンビモデルです。

手頃な価格帯でありながら、ロレックスの中でヨットマスターにのみ用意されているコンビモデルであること、そして他のモデルとは一線を画す個性的なデザインから、ロレジウムは人気を博しました。

この記事では、ヨットマスター ロレジウムの中でもボーイズサイズに絞って、その歴史を紹介します。

ヨットマスター ボーイズ 歴代ロレジウムモデル年表

ヨットマスター ボーイズのロレジウムモデルは、2024年時点で2モデル登場しています。

※古いモデルの製造期間、仕様に関しては正確な情報がないため、事実とは異なる場合がございます。あくまでも参考程度にご覧ください。

モデル年代ムーブメント素材
ヨットマスター Ref.1686221999年~2016年Cal.2235ロレジウム
ヨットマスター37 Ref.2686222016年~Cal.2236ロレジウム

ヨットマスター ボーイズ 歴代ロレジウムモデル一覧

ヨットマスター ボーイズ 歴代ロレジウムモデルを紹介します。

ヨットマスター Ref.168622

製造年代1999年~2016年
キャリバーCal.2235
防水性能100m
ケース径35mm
ポイントボーイズ初のロレジウムモデル

ヨットマスター Ref.168622は1999年に登場した、ボーイズサイズの初のロレジウムモデルです。

1999年にヨットマスターシリーズで初めて採用された「ロレジウム」。ケースとブレスレットはステンレススチール製で、ベゼルや文字盤にはプラチナが採用されています。「ロレジウム」は、ロレックス独自の造語であり、ヨットマスターの中でも特別な存在感を放ちます。

プラチナの輝きとサンドブラスト加工が織りなす、独特な魅力

ロレジウムモデルの最大の特徴は、プラチナ製のベゼルです。ヨットマスター特有のサンドブラスト加工とエンボス加工が施されており、梨地状の質感と立体的な文字が、高級感を生み出します。光沢を抑えたマットな質感は、傷や汚れが目立ちにくく、上品な印象を与えます。

この特殊加工が施されたベゼルは、金無垢モデルを含むすべてのヨットマスターに採用されていますが、ロレジウムの場合は白銀に輝くプラチナベゼルをベースとしているため、イエローゴールドとは異なる独特な輝きを放つ魅力的なベゼルに仕上がっているのが魅力です。

プラチナダイヤルと赤針のアクセント

ヨットマスター Ref.168622にはプラチナダイヤルが採用されました。

プラチナのダイヤルには、ベゼルと同じくサンドブラスト加工が施され梨地仕上げのマットな質感に。そんな鈍色に輝くダイヤルにアクセントとして取り入れられたのが赤い秒針です。金無垢モデルでも、YACHT-MASTERの表記は赤色でしたが、ロレジウムモデルでは、秒針も赤色となったのです。

上品な鈍色の輝きと鮮やかな赤色のアクセントが織りなす洗練された文字盤は、ロレジウムモデルの魅力を格段に引き立てています。

初代ロレジウムモデルであるRef.168622は、その個性的なルックスにより、ヨットマスター ボーイズの人気を大きく高めた功績者と言えるでしょう。

ヨットマスター37 Ref.268622

製造年代2016年~
キャリバーCal.2236
防水性能100m
ケース径37mm
ポイント37mmへサイズ変更、初のダークロジウムダイヤル(2016年)、ベゼル改良

ヨットマスター37 Ref.268622は、2016年に登場したヨットマスター ボーイズのロレジウムモデルです。

2010年代のトレンドを取り入れたサイズアップ

2010年代に入り、腕時計のトレンドは大きめサイズへと変化しました。ヨットマスター ボーイズもこのトレンドに乗り、2mmサイズアップして37mmとなりました。37mmというケースサイズは、女性でも十分に着用可能なサイズです。

レディース需要を担うボーイズサイズ

レディースのヨットマスターは2014年に生産終了となったため、Ref.268622はボーイズ兼レディースという立ち位置となり、ロレックス スポーツモデル唯一の非メンズサイズとして現在もラインナップされています。

ムーブメントは小型のまま

ケースサイズはメンズサイズの40mmに近づきましたが、ムーブメントはレディースと共用だったCal.22系のCal.2236を搭載しています。

ダークロジウムダイヤル

Ref.268622のダイヤルには「ダークロジウム」という新しいダイヤルが採用されました。

ダークロジウムダイヤルは、サンレイ仕上げのダークグレーカラーが美しいダイヤルです。ロジウムと異素材を組み合わせて作られたというダークロジウムダイヤルは、ロレックスの中でもヨットマスターのロレジウムモデルにだけ採用された特別なダイヤルでした。

赤色だったYACHT-MASTER表記の表記と針は、ダークロジウムダイヤルでは明るい水色となり、落ち着きと爽やかさ、そして遊び心が共存した魅力的なデザインになっています。

ダークロジウムダイヤルの登場はロレジウムモデルの人気に拍車をかけ、今に至ります。

ダークロジウムダイヤルは、後に「スレートダイヤル」に名前が変更され、デイトジャスト41やオイスターパーペチュアルにも採用されることになりましたが、ロレジウムは、現在もヨットマスターだけのコンビです。

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ヨットマスター レディースモデルが廃盤となり、ヨットマスター ボーイズはレディース需要も担うモデルとなりました。独特なルックスで人気のロレジウムは、常に需要が高いモデルです。

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